バイタルサイン測定と医療実践の質

Nursing Care+─エビデンスと臨床知─ Vol 1 No 2(2018年07月発行)p351-
特集のまとめに代えて


バイタルサイン測定と医療実践の質

道又 元裕

急変患者について,急変を起こす前に何か変調がありますかという問いに答えている報告があります.その報告は,発表された時期が少々古いものですが,とても重要なことを発信しているので改めて紹介します.
急変患者の66%(99/150)が心停止前の6 時間以内に異常症状や徴候の所見を呈しているという報告です.でも,その25%は看護師からの医師への報告がされなかった.また,医師は25%(25/99)しか徴候を認識していなかったというものです1.日本にかぎらず,いずれの国でも同じような状況なのかもしれませんね.
一方で,急変患者の84%が8 時間以内に何らかの異常を発信しており,そのなかでも呼吸または意識の異常が70% を占め,循環器よりも4 倍以上の頻度で呼吸の変調がみとめられたということです(意識状態は5番目のバイタルサイン).また,心停止前の血液検査所見に一定の傾向はなく,心停止前のバイタルサインでは,呼吸回数が平均でも29 回/分以上だったといいます.つまり,心停止に至る前には呼吸状態に変調をきたす人が多く,それが呼吸回数の異常として反映しているということです.この事実は,看護師のバイタルサインのチェックには,呼吸回数を確実に測定する行動が不可欠であることを強く示唆していることがうかがえます.(以下本文参照)